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時を測る技術は、科学の進歩と共にハイテク化してきたが、月の満ち欠けには、本質的に時を超越し、しかも抗しがたくロマンチックななにものかがある。
ムーンフェイズとは、時計文字盤の6時や12時位置にある三日月型の切り込みから顔を出している月の相のことで、月の満ち欠け(月齢)を表す機能である。この機能は29.5日の月の周期を表示するためにディスクの上下に2つの月を描き、59日でディスクが一周するように設計されている。このムーンフェイズ機能を理解していると、生活の上での知恵が活用できる。そこで、まずは月と月齢(月の満ち欠けの程度をしめす日数)について学んでいくこととしよう。
月は太陽を向いた側だけが光を反射して光っており、その光っている部分が私たちのいる所からどれくらい見えるかによって、見かけ上の形が違ってくる。光っている部分が地球から全く見えない時が新月で、逆に全部見えている時が満月、また半分だけ見えている時が半月となる。月は29.5日ほどの周期で満ち欠けを繰り返しながら地球を一回りしており、地球から見た太陽と月の位置関係が、このような月の形を決めているのである。
月齢は、月の満ち欠けの状態を知る為の目安になる数字や表示のことで、新月から何日経過したかを表している。新月を0として、翌日が1、翌々日が2・・・と、一日ずつ数を増やしていき、15前後であれば満月、30に近い数字であれば次の新月が近いということを知ることが出来る。
また、月は地球や太陽との位置や距離によって、様々な影響を地球に与えている。端的な例が海の潮で、満ち引きの差が大きい大潮(満月と新月の時)と、差が小さい小潮によって魚の釣れ方や、波の状態などが変わってくる。さらに、人間の体の8割を占める体液の成分が海水に似ているため、月の引力の影響を受け満月や新月の時、満ち潮の時は事故や出産が多いとの統計もある。この「バイオタイド理論」をムーンフェイズ機能の時計で検証してみるのも一興だろう。

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機械式時計において、ムーンフェイズはその歴史も古く、16世紀の懐中時計にはすでに搭載されていたとの記録もある。古来より、月と人との関わりが密接だったことを考えれば、早くから時計にムーンフェイズが取り入れられるようになったのも当然のことだった。
パテック フィリップでは19世紀初頭からこの機能を搭載した懐中時計を生産しており、腕時計については、1925年、歴史上初の永久カレンダー付きモデルに搭載され、愛好家の圧倒的な支持を獲得した。
現在、パテック フィリップのコンプリケーションモデルの中でムーンフェイズの機構を搭載した時計は数多くのバリエーションが生産されている。星座表の中に月を統合し、しかもその満ち欠けと天空上の位置を忠実に再現した天文表示機構を備えたスカイムーン・トゥールビヨンRef.5002、セレスティアルRef.5102、永久カレンダーを備えた全てのモデル、そして、年次カレンダーの、Ref.5135、Ref.5146、Ref.5146/1、Ref.5147、Ref.5396などがある。
また、これまでレディースウォッチにムーンフェイズ機能が搭載されることはあまりなかったが、技術的に高度なタイムピースに対する女性の関心の増大さに応え、婦人用コンプリケーテッド・ウォッチを発表してきた。手巻きムーブメントのRef.4958、そのブレスレットモデルのRef.4958/1、そしてレディースモデルに年次カレンダーを搭載し、ダイヤ付きベゼルとマザーオブパール文字盤を配したRef.4936とRef.4937がある。
パテック フィリップがこれらのモデルを発表してきたことは実に適切であった。なぜならば、月は女性のシンボルであり、パテック フィリップの象徴でもあるからだ。新月が新しい創造と再生を呼び起こすがごとく、パテック フィリップの新しいタイムピースは常に、さらなる完成のレベルを発見させてくれるのである。
文責 S.Nakaminato
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